光が丘清掃工場が令和3年3月15日に建て替え工事が終わり、ついに新しい工場に生まれ変わりました。
シンボル的な象徴である白くて巨大な煙突の高さは、以前と同じ150m。
光が丘の住民にとっては街のシンボルといえる存在なので、工場が稼働と聞いたときはとても嬉しかったです。
ここでは光が丘清掃工場について、建て替え計画と公害防止基準、建設したタクマ、新設されてからの塩酸漏えい事故について、建て替えの様子などをご紹介します。
光が丘清掃工場 建て替え施設計画
工事場所
東京都練馬区光が丘五丁目3番1号
敷地面積
23.000㎡
全体工期
平成28年6月28日~平成33年3月15日まで
設計施工
タクマ・鴻池特定建設工事共同企業体
建設
・工場棟 鉄骨鉄筋コンクリート造(鉄鋼造) 高さ約27m
・煙突 鉄筋コンクリート造外筒・ステンレス製内筒型 高さ約150m
・付属施設 計量棟、ごみ搬入車洗車棟等
プラント
・焼却炉 全連続燃焼式火格子焼却炉(廃熱ボイラ付)
・焼却能力 300トン/日(150トン/日・炉×2基)
・発電設備 蒸気タービン発電機 定格出力 約9000kw
・場外余熱利用 地域冷暖房施設(蒸気・温水)、練馬区施設(高温水)
公害防止基準
公害防止基準について
※排出濃度は、酸素12%換算値を示す。
公害防止基準をみてみると、自己規制値はかなり頑張っているなという印象。
きちんと守られて稼働されれば、光が丘清掃工場が近くにあっても問題なく暮らせそうです。
防止法基準
周辺を歩いてみても悪臭はせず無臭でした。
騒音もほとんどなく、いわれなくては工場と気づかないくらい静かな工場かと思います。
光が丘清掃工場の見学
光が丘清掃工場は以前は見学ができた時期もありますが、現在見学は中止中のようです。
新しく建て替えられた施設を、早く見学できるようになるといいですね。
光が丘清掃工場での塩酸漏えい事故
【ガス漏洩:練馬区】
10時45分現在、練馬区光が丘5丁目3番所在の清掃工場にてガス漏洩の通報があり、消防隊が活動中の模様です。 #事故 (NK) pic.twitter.com/qUE8yhx6s3— NET東京(東京災害情報)@東京の『今』が分かる (@Nettokyo911) March 24, 2021
2021年3月24日、午前10時45分ごろにガス漏れの通報が消防署にありました。
巨大な清掃工場ということで、消防車がかなりの台数出動したようです。
新設したばかりの清掃工場で、初の事故発生で、周辺住民は不安を感じる人もでました。
2021年3月24日の午前7時20分頃、工場棟地下2階ポンプ室で巡回中、塩酸の漏えいを発見。
すぐに流出防止措置をとり、塩酸漏れは止まりました。そのときに焼却炉は停止したとのことです。
事故後の対応と原因
塩酸漏えいを確認し、すぐに調査を実施。かつすみやかに焼却炉を稼働停止。
東京消防庁への通報をし、消防と協力しながら漏えい個所の特定。流出防止措置を施す。
漏えいした塩酸については適切な処理がほどこされたそうです。
塩酸漏れの気になる原因ですが、2021年6月現在も詳細は調査中とのことです。
事故の被害状況
事故の早期発見と適切な対処により、被害はかなり抑えられたようです。
・外部周辺環境への影響なし
・機器への影響については調査中
人的被害がないのはよかったですが、機器への影響が気になりますね。
漏えいの原因を調査中とのことなので、今後も同じような事故が起きないか不安になってしまいます。
新しい工場に事故はつきものかもしれませんが、だからこそ徹底した管理をお願いしたいですね。
今までに起きた23区の事故例
東京23区には大きな清掃工場がいくつもありますが、今までも度々事故を起こしています。
一覧にしてみると、なかなか怖いものがありますね。
23区の事故をみていると、アンモニア漏えいと塩酸漏えいが多いことがわかります。
どちらも死亡や火災の原因になるので、どうして漏えいしたのかを徹底して追求し、事故を起こさない姿勢が大事です。
東京都は空き地が少なく、どうしても市民が密集している地域に清掃工場が建てられます。
工場で働いている人たちの命、周辺住民の命と健康を守るために、徹底した管理をお願いしたいですね。
建て替え工事はタクマに決定
光が丘清掃工場の建て替え工事は、落札でタクマ・鴻池特定建設工事共同企業体に決まりました。
こうしてみると、処理能力のわりには割高な気がします。
しかし余熱利用での熱供給などを行うので、金額的には仕方ないのかもしれません。
ちなみに落札方法は、一般競争入札を総合評価落札方式で決められ、タクマは89.57点とっています。
ライバルは日立造船しかおらず、こちらは68.80点と、評価にかなり差があることが分かります。
技術評価点、価格からもタクマのほうがメリットが高く、納得の結果かと思います。
煙突の高さは150m
光が丘に住んでいると光が丘清掃工場の白く高い煙突は、どこにいても目に止まる、街のシンボル的な存在。
煙突を目印にしている人も多いのではないでしょうか。
光が丘清掃工場は昭和58年に建設され、煙突の高さが150m。
これは現在でも練馬区でもっとも高い建造物になりました。
周りの住民のシンボル的存在に
150mという存在感の強さから、周りの住民はたんに煙突としてでなく、心の拠り所のようになっていたように感じます。
解体工事の進む清掃工場の煙突。光が丘の風景から消えてしまうのは少し寂しい😔#hikarigaoka #park #光が丘公園 #清掃工場 #煙突 https://t.co/9V2XKFAsnT pic.twitter.com/vJIOPvrTTm
— トレノ (@sk8er_trueno) April 15, 2017
光が丘公園の隣にある、清掃工場の煙突。現在建て替え中です。もう20年以上、ここには真っ白な灯台のような煙突がありました。私の高校の後輩は友達のおじいさんがここで灯台守をしている、という話を子どもの頃信じてたとか(笑)。次の煙突は灯台とはかけ離れたデザイン。寂しいなぁ。#練馬区 #日常 pic.twitter.com/pHlbFpgZGI
— ちいねこ@万年筆とデジタルで絵を描いてます (@tiisanaoekaki) May 29, 2018
光が丘の清掃工場、新年度から建替えが始まるそうですね。
29年度まで解体、新工場は32年度完成予定。
あの煙突がなくなるのは少し寂しいな。東京二十三区清掃一部事務組合/光が丘清掃工場 https://t.co/TuZzR0k1dO
— 光が丘パパの会 (@hikarigaoka_pa) March 2, 2016
煙突が解体されていく様子
巨大な足場が組まれて、足場自体が芸術作品のようになっています。
ドンドン短くなっていく煙突をみていると、少し寂しい気がしてしまいます。
解体方法はワイヤーソー工法という、煙突のコンクリートを小さく短冊状に切断し、それをクレーンで下ろす方法が取られました。
大きすぎるので、解体は地味ですが安全な方法が取られたんですね。
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